我、ハゲのサラブレッド。 ハゲたら終わる。 なぜならおじさんの頭には突起がある。

子供のころ、自分はそれなりにマシな歳の取り方をすると思っていた。 想像していた自分の姿は、ロマンスグレーでちょっとシャレた、派手過ぎず落ち着いたおじさん。

 

そんなおじさんは最近、自分の老化を少しずつ感じはじめている。 おじさんと呼ばれて相違ない年齢であるという認識はあるものの、自分の感覚は若者のままだったので、老化を実感したときは驚きと嘆きが同時に襲ってきた。

 

髪を洗っているときの抜け毛の量が増えていたり、お腹が出はじめたり。 仕事終わりに趣味に時間を使う体力が残らなくなっていたり、休みの日に外出する気力がなかったりとかとか。

 

体力的な面は、まあトレーニングでもすればなんとかなるとして、問題は身体的な面だ。 抜け毛が増えるのはまずい。 ハゲへの道が着々と整備されはじめている。 本当にマズい……。

 

今はまだ微々たる量でしかないけれど、油断していると一日に抜ける量はどんどんと増えていき、気づけば至っているのである。 ハゲの頂に。

 

育毛剤や発毛剤を使うとか、ワカメをむさぼるとか、そういうハゲ対策は漫画の中だけかと思っていたし自分には関係がないものだと思い込んでいたのだけれど……。

 

数年前、とても残念な事実をおじさんは知ってしまった、 おじさんはサラブレットだったのだ。 血統書付きであったのだ。 ハゲの。

 

母方の祖父がハゲ。 実の父親もハゲ。 ハゲかけるハゲ。 つまりH×H、ってやかましいわ。

 

マイナス(ハゲ)かけるマイナス(ハゲ)でプラス(ふさふさ)になってくれないものだろうか。

 

ジェイソン・ステほにゃららのような、またはブルース・ウィリなんちゃらのようなイケてるハゲ略してイケハゲになれればいいのだが、ここで問題が発生する。

 

おじさんは、頭のテッペンがちょびっと尖っているのだ。 髪がなくなった時点で頭の突起が表出してしまうため、カッコよさなど皆無になってしまうのだ。

 

八方塞がり、四面楚歌。 進むも地獄、戻るも地獄。 この世は残酷である。

 

本格的に、老化対策を始めるときが来ているのかもしれない。 ハゲ対策のみならず、中年太り対策なども含めて。